三千円の使い方で人生は変わる?お金と価値観を考えさせられた一冊

おすすめ書籍と気づき

こんにちは!つむぎです。

今日は少し趣向を変えて、お金に関する本をご紹介します。

というのも、私が8年半勤めた会社を辞めて、いま休職中ながらも自由な毎日を楽しめているのは――2021年から資産運用について真剣に考え、お金のことを勉強してきたからだと思います。

「自分はどのくらいのお金を使っているのか」といった基本から、固定費の見直し、株式投資の方法まで、試行錯誤と実践を繰り返してきました。

そんな学びの中で強く思うのは――
**「資産運用のやり方は、価値観によって大きく変わる」ということ。**

たとえば、生活を切り詰めて投資資金を増やすことを楽しめる人もいれば、「人生は一度きり。いつ死ぬかわからないのだから、今を楽しむためにお金を使いたい」と考える人もいるでしょう。

数年前から注目されているFIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的自立と早期リタイア)も同じで、「早くリタイアして自由に生きたい」と思う人もいれば、「生涯現役で働き続けたい」と考える人もいるでしょう。

こうしてお金について考えていくと、自然と「自分の価値観」について見つめ直すきっかけになります。

でも普段、「価値観」について深く考える機会って、あまりないですよね。

そこで私がおすすめしたいのが、こちらの本。

三千円で人生は変わる?

その本のタイトルは 『三千円の使い方』(原田ひ香著)。

お金の勉強を始めた頃、偶然手にした一冊でした。

物語には、さまざまな立場の登場人物が出てきます。

  • 念願の一人暮らしを始めた20代の女性
  • 日々「プチ稼ぎ」や「ポイ活」に励む20代の主婦
  • 更年期の不調や夫婦関係に悩む50代の女性
  • 年金生活に不安を抱き、働きはじめる70代の女性
  • 定職につかず、期間限定のアルバイトをしながら、時々ふらっと海外に行く30代後半の男性

……などなど、世代も環境も異なる人々の視点で「お金」を描いているのが、この本の魅力です。

物語の冒頭で、おばあちゃんが孫にこんな言葉をかけます。

「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」

三千円の使い方で人生が決まるって、どういうことだと思いますか?

私自身、以前は「三千円くらいなら気にせず使ってしまう」タイプでした。

食費でも日用品でも、「安い!」と感じたら深く考えずに買ってしまっていたと思います。

けれど、この“三千円”という金額は、誰にとっても同じ数字である一方で、立場や生活状況によって価値がまったく違います。

  • スーパーをはしごして数十円を節約する主婦にとっては、とても大きなお金。
  • 一人暮らしの学生にとっては、アルバイトで必死に働いた3時間分の給料。
  • サラリーマンにとっては、1週間分のランチ代。

本の中でおばあちゃんはこう言います。

「三千円くらいの少額で何を買うか、どんなことに使うか。その選択が、結局は人生を形づくっていく」

つまり「三千円の使い方」は、自分の人生や価値観を映し出す鏡のようなものなのかもしれません。

私たちの価値観はどこから来るの?

価値観は、生まれ育った環境、友人、恋人、就職先、結婚相手――さまざまな要素によって形づくられ、変化していきます。

特に印象に残ったのは、日々「ポイ活」や「プチ稼ぎ」に励む20代の主婦・真帆のエピソード。

消防士の夫と三歳の子どもとの3人暮らし。23歳で結婚して専業主婦となり、収入は多くないけれど、優しい夫と可愛い子どもがいて満足していました。

……しかし、ある日友人の婚約祝いで集まったとき、その思いは揺らぎます。

友人の薬指に輝く1.2カラットのダイヤの指輪。さらに婚約者の親からタワーマンションを買ってもらったと聞き、心がざわつく真帆。

昨日までは、「夫が学生時代にアルバイトで貯めたお金で買ってくれた小さなダイヤが3個ついた指輪で十分」と思っていたのに、「私ももっとお金持ちと結婚すればよかったのでは…」という考えが突如浮かんでしまうのです。

比較によって、満足していたはずの生活が一瞬で色あせて見える――。
これは珍しいことではないですよね。

さらに真帆が「いつかハワイに行きたい」と思っていた理由も印象的でした。

  • SNSで映える写真が撮れる
  • 誰もが知る定番のお土産が買える
  • 適度にうらやましがられるけれど、妬まれるほどではない

……つまり、彼女の願望は「自分が本当にやりたいこと」ではなく、周りの目線を基準にしたものだったのです。

私たちも知らず知らずのうちに、他人の価値観に影響されて選択していることは、少なくないのかもしれません。

幸せって、結局なんだろう?

そう考えていくと、行き着くのは「幸福とは何か?」という問いです。

「幸せになりたい」と多くの人が願うけれど、「幸せ」という言葉ほど漠然としていて、人によって定義が異なるものはありません。

結局、他人と比べてしまうと、劣等感や優越感に振り回され、どこまでいっても「本当の幸せ」は手に入りにくいのかもしれません。

だからこそ大切なのは、

  • 自分にとっての幸せとは何か
  • 本当に求めているものは何か
  • それを実現するために必要なお金はいくらか

これを自分の言葉で整理すること。

それができれば、漠然とした不安や他人との比較にとらわれず、人生の幸福度はきっと高まるのではないでしょうか。

おわりに

最後は、ちょっと哲学的な文章になってしまいましたが、私は『三千円の使い方』を読んでこんなことを考えました。

さて、あなたはどう感じましたか?

気になった方は、ぜひ本書を手にとってみてください。そして「三千円の使い方」をきっかけに、自分自身の価値観についても考えてみてくださいね。

今日もご覧いただきありがとうございました^^

原田 ひ香 中央公論新社
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